■コンタクトレンズと、眼鏡とのバランス

コンタクトレンズと、眼鏡のバランス(中等度近視~)

眼の完全矯正値を調べ、持っている眼鏡と比較する。50代前半<女性Aさん>

一般に、完全矯正というのは、【遠用度数の完全矯正】を意味し、ご自分の眼にピッタリ合わせた値の事を言います。眼が持っている実際の度数です。検眼時は必ずこの値を出し、この完全矯正値を元に全ての眼鏡が処方されます。中間距離用だけ、近距離用だけの検眼というのはありません。遠方の完全矯正値を出さないと、中間用も近用も作れません。


眼の完全矯正データ
R)裸眼視力0.06
L)裸眼視力0.08

R)sph-4.25D cyl-0.50D Ax110° 視力1.2
L)sph-3.75D                              視力1.2

使っている眼鏡のデータ
R)sph-3.75D cyl-0.50D Ax110° 視力0.7
L)sph-3.25D                              視力0.7
片眼0.7、両眼で0.9見えるこの眼鏡は、室内に程よく焦点が合い、かつ、外出も充分できる視力を確保しています。御本人曰く、長時間使っていられるから一番活躍しているとの事なので、眼鏡はこのままでOK。




コンタクトレンズを調べた結果、過矯正なので度数を変更。50代前半<女性Aさん>

コンタクトレンズ装用時は、眼とレンズの間には隙間がありません。眼鏡装用時は、眼とレンズの間には指が1本入る程の隙間があり、この隙間を頂点間距離と言います。同じ度数でコンタクトレンズと眼鏡を作った場合、この頂点間距離(隙間)が影響して双方の視力は同じにはなりません。


使っていたコンタクトレンズは強すぎ
R)sph-4.75D 
L)sph-4.00D
R)視力1.5×SCL×+0.75D
L)視力1.5×SCL×+0.50D
※SCL=ソフトコンタクトレンズ
コンタクトレンズを装着した左右の眼に凸レンズを付けても視力は1.5。
プラスマイナス計算で、凸レンズをのせた状態は、

R)sph-4.00D  L)sph-3.50Dとなります。度を弱めても同じ視力の場合、必ず弱い方の度数を選択して下さい。眼の完全矯正値よりも強い度数のコンタクトで、「red & green2色テスト」は、緑が鮮明の「過矯正」になっていました。※右参照

眼鏡、コンタクトが強すぎか否かを判定すにはこれ。
DSC_0040
眼に存在する度数に対してちょうど良く矯正されると、赤緑共に同じ明るさとなり、まだ矯正が弱い場合は、赤色が鮮明になり緑色が暗くなります。

反対に、眼に存在する度数に対して行き過ぎた度数、つまり強すぎていると赤色が暗くなり、緑色が鮮明になります。赤色がはっきりしている時は、まだ眼に対して強過ぎていませんという合図、逆に緑色がはっきりしてきたら眼に対して度数が強過ぎていますという合図です。眼鏡、コンタクトレンズ共に「緑色」が鮮明にならない度数を使う事が基本です。


新たなコンタクトレンズは、【弱めの眼鏡と同じ度数で】と、希望されました。
R)sph-3.75D 視力0.9
L)sph-3.25D 視力0.9
右眼の乱視(cyl)を省き、眼鏡と同じ近視の度数で両眼1.0の視力です。先に述べた様にコンタクトレンズは眼にピッタリと装着されるため、眼鏡と同じ度数にした場合でもコンタクトの方が良く見えてしまいます。視力的にはこれで充分との事。

 

コンタクトレンズは、度が強すぎになっていても、強すぎる感覚があまりしないという特徴がありますので、上から必ず凸凹レンズをつけて確認しましょう!
プラスレンズをつけてよく見えたら「度が強すぎ」、マイナスレンズをつけてよく見えたら「まだ度が弱め」。


 
 

強度近視の不同視、利点と不具合を考慮して眼鏡を作る。 40代後半<男性Aさん>

【各眼の利点を活かしている場合が多い】
不同視力の場合、左右を同じ視力に合わされてしまうと非常に具合がよくない為、どちらか一方は手元を見やすく、もう一方は遠くを見やすくなるよう、自分にとって都合の良いように合わせた眼鏡やコンタクトレンズを使っています。元々、視力が良くない方の眼は近くが見やすく、元々、視力が良い方の眼は遠くが見やすいので、この双方の利点を損なわないようにする事が大切です。


眼の完全矯正データ
R)裸眼視力0.02
L)裸眼視力0.03

R)sph-9.50D 視力1.0
L)sph-7.50D 視力1.2

矯正すると左右の差がある強度近視の不同視です。差のある眼の場合、両眼共に良く見えるように合わせてしまうと、各眼の像の大きさが違って見える他、とても使いにくい眼鏡となってしまいます。
通常は、コンタクトレンズを使用。
R)sph-7.00D 視力0.4
L)sph-7.00D 視力1.2
※不同視の場合、コンタクトレンズが最も具合が良い矯正用具となります。眼鏡に関係する眼とレンズの隙間、頂点間距離が影響しないため、良い視力を出しても不具合が起きません。このお客様の場合、右眼は近くが見やすいよう、あえて弱い合わせとしています。両眼共に遠方を見えるようにしてしまうと手元が見ずらくなるからです。コンタクトの上から老眼鏡を使うことになってしまうからです。この方法をモノビジョンと言います。


眼鏡を作製
R)sph-7.50D 視力0.4
L)sph-6.50D 視力0.7
コンタクトレンズを主とする生活なので、眼鏡は基本的にコンタクトを外した時に使います。そのほとんどは宅内でしょう。重要となってくるのが「左右差」、つまり「度数差」です。普段はコンタクトを主にするわけですから、‘‘良く見える‘‘という考え方を‘‘近距離が良く見える‘‘という考えに基づき眼鏡を合わせました。
※理由としては、コンタクトレンズを外した際、裸眼では各眼共に、10cmくらいの焦点距離なので10cmから先がぼやけるので、そのぼやけている所が楽に見えるようにする事。室内にピントが合うようにして、かつ、左右の度数差を1.00Dに抑えて長時間掛けていても疲れない眼鏡にすること。
眼が持つ度数 焦点距離
-1.00D 100cm
-1.50D 66.5cm
-2.00D 50cm
-2.50D 40cm
-3.00D 33cm
-3.50D 28.5cm
-4.00D 25cm
-4.50D 22cm
-5.00D 20cm
-5.50D 18cm
-6.00D 16.5cm
-6.50D 15cm
-7.00D 14cm
-7.50D 13cm
-8.00D 12.5cm
-8.50D 12cm
-9.00D 11cm
-9.50D 10.5cm
-10.00D 10cm




 
 

家の中専用眼鏡が、コンタクトレンズと同じ度数。 30代前半<女性Bさん>

眼鏡とコンタクトレンズを同じ視力にした場合、眼にピタリと装着されているコンタクトレンズの方が視野も広く、良く見えて装用感は抜群です。しかし、度が強い人になればなるほど、眼鏡の方は視野も狭く感じて物が小さく遠く見え、コンタクトレンズよりも装用感は悪くなります。これについても頂点間距離(眼とレンズとの隙間)が影響するためです。コンタクトレンズを常用するなら、基本的に眼鏡は室内で近くが見やすく合わせてあげると使いやすい眼鏡になります。中等度近視以上になると、眼鏡で仕事や学校へ行く人はあまり居ませんので。


眼の完全矯正データ
R)裸眼視力0.06
L)裸眼視力0.04

R)sph-4.00D 視力1.2
L)sph-5.00D 視力1.2

※この矯正値は、掛け枠とレンズによる眼鏡方式で検眼しますので頂点間距離が存在しています。
R)sph-3.50D
L)sph-4.50D
コンタクトレンズは、この度数で各眼1.2の視力が得られます。頂点間距離が存在しないためです。
使っている眼鏡のデータ
R)sph-4.00D 視力1.2
L)sph-5.00D 視力1.2
※コンタクトレンズと同じ視力で眼鏡を作っているため完全矯正値そのままの度数となってしまっています。
先に述べたように、度が強く若い人であれば在るほど眼鏡使用比率というのは家の中やその周辺。テレビやパソコン、スマートフォンなどの近いところが見やすくしてあげた方が、眼は疲れません。


眼鏡を作製
R)sph-3.25D 視力0.5
L)sph-4.25D 視力0.7
両眼で0.7の視力で眼鏡を作製しました。利き目(優位眼)の左眼を見やすくしてあげることで、お持ちの1.2見えていた眼鏡より、かなり視力を下げても特に違和感なくかけられます。
利き目のチェック!
両眼で見ながらホールの中に遠くのランドルト環を入れて片眼ずつ見ると、どちらかの眼で見た時にランドルト環が入っています。ランドルト環が入って見える方が利き目(優位眼)です。※右図参照
利き目(優位眼)
DSC_0040
片眼どちらかで見るとホールに入っている




 
 

眼鏡は、コンタクトレンズの補助 20代前半<女性Bさん>

中等度から強度に差し掛かる近視。外出で眼鏡を使う事は、ないそうです。度が強くなればなるほど、良質なコンタクトレンズが手に入る現代は、若い人ほどその傾向は強まります。そして、そういった場合に多いのが、「良く見える眼鏡を使ったのはだいぶ以前・・」。つまり、眼鏡を作ったのはだいぶ前で、その後はコンタクトレンズが主。強い眼鏡に慣れていないという事です。ご本人曰く、眼鏡はコンタクトを外した時の補助。以前作った弱い眼鏡を自宅で使う習慣がついていることと思われます。学生であっても眼に負担のかからない「コンタクトレンズ」と「眼鏡」の使い分けを上手に行なっています。


眼の完全矯正データ
R)裸眼視力0.04
L)裸眼視力0.03

R)sph-6.00D 視力1.2
L)sph-6.75D 視力1.2

使っているコンタクトレンズのデータ
R)sph-4.75D 視力1.0
L)sph-5.50D 視力1.0
※各眼1.0ぎりぎりです。極力、パワーを落とせるまで落として使っています。ご本人もこの視力で満足。


眼鏡を作製
R)sph-5.00D 視力0.4~0.5
L)sph-5.75D 視力0.4~0.5
※度数が強い人がパソコンや読書をする場合、裸眼では対象物にかなり近づかないと見えません。姿勢が悪くなることを、ご本人も懸念しています。これについては、丁度良く対象物にピントが合う適度な度数の眼鏡が活躍します。そして、弱めの度数で近くを見るという事は、眼の中のピント合わせ調節筋(毛様体筋)に、極力負担をかけず見ているわけなので、結果として眼精疲労が起きない眼鏡となります。

眼精疲労
DSC_0040
近くにピントを合わせるために毛様体筋が働いて水晶体を厚くします。視力をよく出した強いレンズのまま近くを見ることは、よりいっそう毛様体筋の働きを促すので眼が疲れます。




 
 

強い近視とレンズの関係性

眼鏡とコンタクトレンズを頻繁に交代させながら使う「弱い近視」の人は、双方を同じ視力で合わせている場合も多く、違和感も何等感じていないことと思いますが、強度の近視の場合は違います。

基本的には、コンタクトレンズ装用者は中等度以上が多く、度数が強い近視の場合、眼鏡を作るにあたってはコンタクトレンズと同じ視力は求めない方がいいでしょう。度数を強めれば強めるほど、レンズの周囲が狭くなって行き、対象物が小さく遠く見えて使いにくい眼鏡となってしまうことを懸念してのことです。度数を弱めるほど、この現象も弱まります。
 

DSC_0040 DSC_0040 DSC_0040
文字が書いてあります。
この文字を眼に例えます。
レンズがピタリと目に付いていま
す。コンタクトレンズは、この状
態にあります。レンズあり、レン
ズなし共に文字の大きさに変化は
ありません。
眼とレンズの間に隙間を持たせた
結果です。眼とレンズの間に隙間
が生じます。これが眼鏡です。度
数が強くなる程、この作用も大き
くなります。
動画にて




 

関連リンク
■不同視
■コンタクトレンズと眼鏡を併用
■初めて普通に歩ける眼鏡との出会い(不同視)